蔵のある宇陀市は奈良県の山間部にありながら、古来より人や物資が往来する交通の要所でした。
古い建物と、現在の人々暮らし、そして自然の緑が混在する豊かな土地柄です。
良いお酒は良い麹から生まれるという考えのもと、久保さんところの麹室は二つに仕切られて別々の温度、湿度の管理を行っています。
順平専務曰く、「カチカチのカリン糖のような」と表現される麹からは、味にダレの無いピシャリとしたお酒にしあがります。
常温か燗で美味しくいただけます。
また、切れのあるお酒造りのためには、麹による米の糖化と酵母によるアルコール発酵のバランスを上手くコントロールすることが大切です。
糖化のバランスが悪いと、酵母が必要なときに活躍できず、余分な味わいを残す原因にもなります。
このお酒の肩書きにも書かれているように、「自然発酵」という言葉を用いて、日本酒造りに欠かせない二つの微生物である、「麹菌」と「酵母」を自然な形で育成することが美味しいお酒の秘訣と蔵元である久保順平さんは常々語ってくれます。
涼の印はレギュラーのアルコール度数から少し低めの14%での詰口となります。
軽快さが加わりながらも薄さは感じさせません。