天穏の新しい時代を切り開くお酒です。
生酛造りと吟醸造りを融合させた清廉な味わいです。
更に三日麹を取り入れてより肌理の細かな舌触りに進化をしています。
お燗でお召し上がりください。
令和五年醸造年度に切り替わりました。
今期は乳酸と協会酵母の添加を行っています。
ほんのり燻したような樹木のニュアンスは後退し、青い新緑の印象に変わりました。
酸はシャープに味わいがくっきりと浮かび上がります。
こちらは30BYの天雲へのコメントになります。
天雲は改良雄町を使用し生酛造りにて醸された純米吟醸酒で、アルコール度数は通常の詰口よりも低い13%になっています。
薄さは感じずに複雑さと深さがありながら、軽快で伸びやかな味わいが続きます。
生酛は野生酵母を呼び込むので酸の多いお酒となると言われていますが、それは違うようです。生酛によって生成した酒母中の酵母は速醸酛で生み出されたそれよりも細胞の組成が違うアルコール耐性が強い酵母になります。そのため、もろみ末期でも死滅することなく余分なアミノ酸の生成を抑えることで味わいの綺麗なお酒に仕上がります。酒母の生成中に多少なりの野生酵母の混入はありますが、仕込み量全体の酒母割合は全体の5%程度であり、全体として味わいにアクセントとなる個性を与える程度でしか影響をしないのでしょう。
また、天穏では製麹を通常よりも一日長い三日麹と呼ばれる方法で取ることで、糖化力が強い突き破精型の麹に仕上げています。
それら生酛造りと三日麹が合わさって、醪発酵を低温かつ長期で管理することで、お米の味わいを多すぎることなく、しかしながら深みのある余韻の長い味わいを引き出すことが可能になっています。