鳥取県八郷産の山田錦を用いて、生酛、山廃、水酛の仕込みをした三つのお酒をブレンドしています。
写真はR3BYを使用しています。
いつもの無窮シリーズと同じく澄んだ香味が基調となりながらも、いくつかのお酒を合わせることで折り重なるような酒躯の立ち姿が表れています。
ここでは飲む人と醸す人の在り方を「縁起」という言葉で結びつけています。
飲む人によって現れる酒が違っても、そこにあるその味は一つでありながら全てでもある。
誰かが飲んだ味わいと私が飲んでそれが違っていても、そこには同じものがありそれらは矛盾せず、それでもなおかつ違っている。
禅問答のような語りの中に、このお酒で伝えたいことが宿っていて、それを知ればそれに行きつき、そして通り過ぎていく。
消えたものはあまねく有って、在るとは無いことと同じ。
「見えた。なにが。イトナミが。」
天穏お酒を飲むことは、そ小島杜氏の言葉を追体験することであり、その思考はあなたに贈与され、血肉となって染み渡り、そしてまたあなたは小島杜氏の存在を通り過ぎ、遠くへ運ばれながらも再び回帰する。