静岡県藤枝市にある手造り蔵です。
静岡流の軽快な飲み口の中にも、余韻のある深い味わいです。
日本酒造りはその行程において常に雑菌の汚染に晒されています。
加えて味切れの良い純米酒を造るには、優良で強靭な酵母の存在が不可欠です。
現代では乳酸を添加することにより酸性状態を作り出し、雑菌を駆逐し、優良な酵母の培養に勤めますが、伝統的な「生もと造り」や「山廃造り」では、天然に生えてくる乳酸菌を取り込み、乳酸が生み出されるのを待ち、酸性状態をつくります。
手間も時間もかかる作業ですが、出来上がったお酒は、個性的な風味と酸を持ち、腰のある飲み口になります。
ここ杉井酒造の生もとは、ひと味違う静岡流のクリーンな飲み口です。
そして、このお酒は2006年度の初挑戦から続く生もと造りで醸す純米大吟醸酒です。
綺麗な酸を目指す吟醸造りと、生もと造りの融合を目指したこのお酒、長期にわたり熟成させてみたい一品です。
そのお酒が2016年度のみ「生酛純米吟醸」でのリリースとなりました。
酒母米の精米歩合が60%だったため(杉井社長は掛米との平均精米歩合で50%以下になるため良いと考えたよう)大吟醸の表記ができなくなりました。
当店の倉庫で室温で保管をしていたバックヴィンテージです。