灘の生一本の令和六年蔵出し分です。
剣菱の商号は伊丹発祥です。現在の経営者が昭和の初めに買い受け、今に至ります。赤穂浪士が討ち入り間に酌み交わした酒と言われていて、この酒からは小雪のちらつく年の瀬のイメージが起ります。
酒毋は山廃もとで仕込み、濃潤な酒質を特徴としますが、後味の切れの良さには定評があります。日本酒がよく飲まれていた時代には、未納税取引による他社が製造したお酒を瓶詰めして販売していました。今は、全て自社で製造しているそうです。
灘の生一本は兵庫県産山田錦を使用して山廃仕込にて醸しています。剣菱さんでは上槽後の段階で数本からの醪が一タンクで貯蔵されています。通常であれば熟成後のそれら数本のタンクからのものがブレンドされて製品化されていますが、このお酒は灘の生一本のコンセプトのもとで一タンク分単体で瓶詰されたお酒になっています。
「灘の生一本」の名称に関しては「灘酒研究会」に解説がありますのでリンクを貼っておきます。
http://www.nada-ken.com/main/jp/index_na/56.html
おおまかには「灘五郷の単一の製造場のみで醸造した純米酒」という規定で毎年一回で10社が製品化しています。
また、「灘五郷」の名称に関しては今年の六月に国税庁によって地理的表示が認められるようになっています。
https://www.nta.go.jp/ta…/sake/hyoji/chiri/1806_besshi02.htm