櫛羅 生酛仕込純米一火原酒 720ml瓶 千代酒造 [010072021100301]

櫛羅 生酛仕込純米一火原酒 720ml瓶 千代酒造 [010072021100301]

販売価格: 1,600円(税別)

(税込: 1,760円)

在庫数 10点
数量:
奈良県御所市、葛城山の麓にある手造り蔵「千代酒造」さんの限定流通商品です。
軟水で仕込むこの蔵のお酒は柔らかな長い余韻が続きます。

櫛羅生酛の火入れをリリースします。
まだ少し火冷め香がしますが、味わいはとても熟れています。
生酛仕込らしい滑らかさに微かな瓜系果実のニュアンスを忍ばせています。
溌剌と豊な酸があってそのままの温度でも大きなストラクチャーを見せてくれます。
温めるならまだぬるめの温度が美味しいです。

櫛羅のお酒は現社長杜氏の堺さんが蔵にきて最初に取り組んだお酒です。
それ以前は山梨県でワイン造りに携わった経験から、原料へのこだわりが美味しいお酒造りの第一歩と考え、蔵のすぐ側の田圃で山田錦の栽培に取り組みました。
それが今から25年ほど前に始まった櫛羅の出発点です。
当初は55%磨きの純米吟醸酒のみでしたが、田圃が増えるにつれ60%精米の純米酒も加わり、純米吟醸酒は50%磨きにバージョンアップしました。
どちらも速醸酛にて、協会9号酵母で醸されています。

櫛羅のお酒のことをもっと身近に感じたいと思い、私が飲食店さんたちと田んぼ体験に訪問をし出したのがおよそ10数年前です。
水の入った田圃に入り田植えをし、夏には草を取り、秋には自らの手で鎌を使い収穫をすることを通じて、自然の恵みの豊かさと厳しさを体感しました。
そんな中で、よりお酒造りの自然な形である「生酛」での櫛羅のお酒を見てみたいと考える様になり、この度令和二年度の造りにおいてその願いが形となることになりました。

蔵のある櫛羅の地で自社栽培をした山田錦を用いて、生酛造りにを行い生まれて来たのが今回にご案内をする「櫛羅生酛」のお酒です。
酵母添加は協会7号酵母をしています。
主な数値はアルコール度数16.3%、日本酒度+7.5、酸度2.6、アミノ酸度0.7となっています。
生原酒と火入れ酒を共に通年で販売をする予定です。

他の写真

  • 千代酒造株式会社
    奈良県御所市大字櫛羅621
    米・米麹/奈良県御所市櫛羅産山田錦60%(自社栽培)
    生酛造り/協会七号
    アルコール度数16%
    火入れ済み/無濾過
    日本酒度/酸度/アミノ酸度
  • 篠峯を醸す千代酒造の蔵は、奈良県と大阪府の県境ある金剛山系の一つである葛城山の麓にあります。金剛山の名前が世間一般にはよく知られ一番有名ですが、子供の頃からしばしばハイキングに訪れることが多かった葛城山の方に特別な親しみを覚えます。一番良い季節と言えば頂上付近に咲くツツジの花が見られる初夏の頃ですが、秋にはススキも美しく、冬の雪化粧の頃も簡単な装備で登れますし、一度なんかはヘッドランプの明かりで夜間ハイキング等もしました。他に誰も登る人もいない山道に、樹々の切れ間から差し込む月明かりが澄んだ青みを帯びた光をしていて、夜の闇の怖さよりも静けさが凛とした気持ちにさせ、土を踏みしめる音と一緒に登った連れの口から漏れる息づかいが重なり、見上げた夜空に浮かぶ月がとても美しかった記憶が今でもあります。葛城山は修験道の開祖と呼ばれている役小角が若い頃に修行をした場所と言われており、ゆかりのある「行者の滝」等の地名が残ります。また、その葛城山には弘法大師が天竺にある同じ名の滝に因んでつけたと言われている「櫛羅の滝」と呼ばれる場所もあり、その櫛羅という名前から蔵のある櫛羅という地名は来ているようです。明治になって廃藩置県で藩政が廃止されるまでは、櫛羅藩が辺りを治めていたそうです。

    千代酒造は同じ奈良県にある百楽門を醸す蔵元「葛城酒造」さんから昭和10年に分家独立しました。現在杜氏を勤める吉田さんは千代酒造に入社して50年、現代の名工にも選ばれており、全国清酒鑑評会でも何度も金賞の受賞歴があります。そして、何と行っても欠かせない存在が、現在専務を務める堺哲也さんです。蔵に来て10年になりますが、それ以前の仕事はワイン屋さんでした。そこでの経験が生かされているのか、現在千代酒造では限定流通商品として「篠峯」のブランドを出していますが、その延長線上にあるのが、自家栽培した山田錦を使って醸す「櫛羅」ブランドです。ワイン造りはその特性故に畑での葡萄造りがその品質の善し悪しを決定づけます。米で出来る日本酒もワイン程ではないにしろ農産物である以上その品質は重要となります。いいお米を手に入れるのはもちろんなのですが、堺さんを先頭に蔵で取り組んでいるのが、自らいい米を作ることへの挑戦です。これは何もここの蔵だけのことではなく全国てな取り組みとも言えるのですが、杜氏を含め酒造りの仕事が季節限定の出稼ぎ労働であった時代には、蔵人が夏場にしていた仕事が米造り等の農作業であったはずなのです。単に技術面だけでなく、一年を通じた生活を含めての伝統的な酒造りへの回帰とも言えるのでしょう。

    仕込みに使う水は葛城山の伏流水でやや軟水です。米はほとんどが酒造好適米を用いています。麹は総破精型のしっかりと米を溶かし、味を出し切るタイプです。一部自社酵母を用いることにより、香りにはこの蔵特有のものがあり、後味はすっきりしていますが、口中でのボディはしっかりと感じれる物が多いです。